MONTHLY MAGAZINE 10月号

和泉が保育者の養成を大切にしてきている理由
~建学の精神から見た育てたい人物像~

大学には“建学の精神”や“設立の理念”があります。これらは、どうして大学を作ったのか、どのような人材を育成したいのかなどが示されています。ただのスローガンのように見えるかもしれませんが、実は学校の雰囲気や教え方などに大きな影響を与えています。

和泉短期大学の建学の精神は、「キリスト教信仰に基づく教育と人格形成」です。このことを大切にしている理由を分かりやすく解説していきたいと思います。

まずは、キリスト教がベースにあるとはどういうことか、から始めます。キリスト教の歴史に詳しい本学の和寺悠佳先生に教えていただきます。

現代社会であたり前となった価値観

皆さんも、「一人ひとりが尊い存在」「個性を大事にしよう」「みんなで助け合おう」、こういったことを大切に生活されていると思います。一人ひとりが尊いから、その一人ひとりの個性を大事にして、違った個性の者同士で協力していこう、ということですね。

「一人ひとり」には、全ての人が含まれます。友人も、家族も、どんなに小さい子どもも、障がいのある人も、尊く、大切にされ、助け合う仲間です。当たり前になっていて、これらがどこから来たのか気にする人はあまりいないかも知れません。実は、これらを「当たり前のこと」にしたのは、キリスト教です。
多様性を尊重しよう、誰もが共生する社会にしようという現代社会の理念の重要な土台にはキリスト教があります。

保育・福祉の価値観はキリスト教の精神から生まれた

かつては、幼い子どもや障がいのある人は、社会の中に居場所がありませんでした。自分で身の回りのことが出来ない人は、社会の中で相手にしてもらえませんでした。誰かに助けられる人ではなく、誰かの役に立つ人こそが大切だと考えられてきました。

そんなときに、「どんな人だって大切だ」「全ての人は尊い」と教えたのがキリスト教です。どんなに小さい子どもも、障がいを持った人も、自分で身の回りのことができる人も、助けが必要な人も、みんな神様に愛されている。私のことも、私の目の前にいる人のことも、神様にとっては同じ大切な存在。成長にあたって援助が必要な小さな子ども、様々な手助けが必要な障がいのある人も、みんな大切な一人ひとりです。

だから、神様に愛されている者同士、神様に大切にされている者同士として、目の前の人を大切にする、目の前の人に寄り添う、助け合うのです。

和泉が
“一人ひとりに寄り添う”
ことを
大切にする理由

ここから、保育や福祉が始まりました。
保育・福祉は、どんな人であっても、一人ひとりが尊く、大切だというキリスト教の教えから始まったのです。

保育・福祉の営みは、
 まず目の前のあなたを大切にするということです。
保育・福祉の姿勢は、
 一人ひとりを大切にする、尊重するということです。
保育・福祉の始まりは、
 一人ひとりが神様に愛されている、一人ひとりが神様にとってとても大切な人間だというキリスト教の教えがあったからなのです。


和泉短期大学の建学の精神「キリスト教信仰に基づく教育と人格形成」。それは、キリスト教から保育・福祉が始まり、キリスト教の教えに立っていくことで、全ての人を大切にし、寄り添うという保育・福祉の業ができるからです。

和泉の設立の理念と育てたい保育者像

和泉短期大学の建学は、キリスト者有志による日本への戦後復興支援として、孤児達に寄り添い助ける活動から始まりました。子どもたちを支える人を育成するための講習会や養成所が、現在の「和泉短期大学」の前身です。和泉短期大学は建学以来、「子ども達の幸せとは何か」そして「子ども達が幸せになるにはどうしたらよいのか」ということを考え、保育士資格・幼稚園教諭免許状の取得を目指す保育者の養成に当たっています。

本学のスクールモットー「愛と奉仕」は、2年間の学生生活の中で、子どもたちの幸せについて考えたり実践したりするために、自分を大切にしながら他者を大切にできる人としての人格を築き上げ、社会へと巣立っていってほしいという願いが込められています。単に保育の資格を取ることが目的ではなく、あなたの基盤となる保育者像(価値観)を見つけ巣立っていってほしいのです。

本学の“アットホームな大学”の雰囲気とは

本学に見学にいらした方からは、よく「アットホームな大学ですね」と言われます。在校生や卒業生は、よく「元気な子も静かな子も、見た目にもいろいろな子がいるけど優しい人が多い」「先生との距離が近く、先生は一人ひとりをよく見てくれている」
近隣の実習先からは「和泉の学生は素直な人が多い」と表現して下さいます。

これらの本学の雰囲気は建学の精神がベースとなり、長年に渡って創られてきているものと言えます。立場を越えて同じ目線になって多様である一人ひとりに寄り添うこと。他者の思いに触れようとし、自分とは違うこと、同じことに気づき、信頼して寄り添うこと。自然とそうなっていく学び舎なのだと言ってもよいでしょう。

あなたに選んで来てほしい
~アドミッションポリシー~

アドミッション・ポリシーは、入学者の受け入れ方針をまとめたものです。 自学の特色や教育理念を反映した上で「どのような学生を求めているか」という受け入れの方向性が、アドミッション・ポリシーには明確に記載されています。

和泉短期大学は、保育・福祉専門職として必要な価値観、知識・技能を修得し、建学の精神にもとづく愛と奉仕をもって、すべての人々が共に生きる社会の実現に貢献したいと考える人を求めています。

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[記事公開日]2022年11月08日[最終更新日]:2022年11月11日