コロナ禍で、開催すること自体が難しくなってしまっていた子育てひろば「はっぴい」・子育てひろば「すまいりぃ」。本学では、大学が行う先駆的な取り組みとして、長年に渡り地域との連携を大切に実施してきました。学生にとってもやっぱり「子どもの声が聞こえるキャンパス」の復活!は保育者を志す者としてモチベーションが上がります。今回は、この取り組みの独自性や特徴を紹介したいと思います。
児童福祉学科として保育者養成に携わる和泉短期大学は、地域の子育て中の方々を対象としたプログラムを行っています。このプログラムは参加される方々にとって、嬉しい気持ちと笑顔で過ごすことができることを願って名付けられました。
「すまいりぃ」は木曜日(毎週)地域の親子のためにキャリアデザインセンター(CDC)を開放しています。「はっぴい」は土曜日(毎月)を中心に、学生も参画した手づくりの子育て支援プログラムとして実施しています。どちらも在校生がボランティアとして親子に関わらせていただき、学びの場となっています。
キャリアデザインセンター(CDC)は、広い窓をもつ明るい空間で、木製の子ども用の椅子と机、上質で色彩の美しい木の遊具、沢山の絵本などを備え、ままごとコーナーや 授乳スペースのある“保育室仕立ての保育学生用の教室”です。
室外にも砂場が整備され、子育てひろばの時には、水遊び、絵の具、自分で動かすことのできる乗り物遊具などを準備して、たっぷり遊べる環境を整えています。
保育者をめざす学生たちが授業を受けている場所と同じ環境の中で、自然な形で子どもと大人が過ごす空間が創られています。その中で、学生は保育支援者と共にくつろいだ雰囲気で、子どもの見方や関わり方、環境構成などを学んでいます。
\ おもちゃの専門家からも絶賛 /
おもちゃコンサルタントマスター
横尾泉さん
「世界中のおもちゃがこれだけ揃っているのはすごいですね。高価なものも含め上質なものを誰でも手に取って遊べる環境は素晴らしいです!」
身体を使ったあそび、手先を使うあそび、ごっこ、積み木など子ども達のあそびをよくわかっている方がおもちゃのセレクトをされたのだと感じました。
細かい事ですが、こま回しの台にちゃんと大学の焼印が押されていました。こういう細部にまて心配りしてある事に感動しました。
保育に必要なきめ細かい心配りや、学校の誇りを感じました。
木のおもちゃチッタ
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木のおもちゃチッタInstagram
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学生たちは授業の合間や昼休みの時間を使い、すまいりぃに来てくださっている子どもたちと関わり、子どもたちとの触れ合いを通した実際的な学びを楽しみながら得ています。
昼休みになると、幼児用の椅子が備えられている学生食堂では、お弁当や学食メニューを楽しむ親子の様子が見られます。学生が思わず声を掛けたり、手伝ったりする空間になっているのです。
子どもから学ぶ
CDCで初めて出会う子どもたちに対して、学生はどのような関わり方をしたらいいのか戸惑っていることがあります。 しかし子どもの方から「いらっしゃいませー!」と学生を誘い、一緒にお買い物ごっこを始める姿などを目にします。学生は子どもたちとの関わりの中で「同じ遊びをすること」、「同じ動きをすること」、「同じものを見て笑い合うこと」によって、子どもとの心の距離を縮めていきます。
赤ちゃんを抱っこしたことはありますか?
保育者養成校では実際に子どもとも関われるようにと、付属園など保育現場と連携して学ぶ機会を持つようになってきました。しかしながら 保育中の活動内容、距離や人数などの物理的な制約によって学生の学びだけに特化することが難しい現実があります。身近に子どもが居て“カシコマラずに”子どもと触れ合える環境が整備されていることは本学の特徴となっています。
赤ちゃん人形を抱っこする授業もありますが、本当に赤ちゃんと触れ合える機会があることは保育を学ぶ学生には貴重な場です。
保育支援者や先輩・友人から学ぶ
CDCには保育力支援者(保育者であり学生の教育者)がいます。学生にとっては実際にどのように接したらよいのかというお手本が身近にあります。支援者による具体的なアドバイスによって、遊びを広げたり、自作のおもちゃや絵本などを披露したりと、実践を通しての経験の場が広がっています。また、先輩の姿や友達の関わり方などもモデルとなって、学生自身の引き出しを増やしていっている姿も見られます。学生同士が学び合える場としてCDCは機能しています。
自分の成長を確認!2年間のキャリアデザイン
学内で子育て支援に参加できることへの関心は高く本学への志望動機で「はっぴい」や 「すまいりぃ」への参加を挙げる学生が多くいます。普段接することの少ない乳幼児期の子どもとの出会いや、保護者の方と会話を通しての関わりは得難い経験です。この経験が実習に向けての準備になっていくことも学生にとっては魅力のようです。
日々の子どもとの関わりの積み重ねによって自分自身の“子ども理解”や“援助の方法”が変化している ことに気づき手応えを得ている姿が見られています。
子育てひろば「はっぴい」「すまいりぃ」は、地域の親子に学内施設を利用していただくと同時に、本学の学生にとっても貴重な体験を積める絶好の機会となっています。学生たちは、保育の学びを進める中 で、実際に子どもとの触れ合いを通した経験を重ねること で、より深い学びへと繫げていくことができています。このような貴重な体験の機会を与えてくださり、温かい眼差しで 学生の学びを見守り応援してくださる地域の皆様のご理解とご協力には、感謝の念に堪えません。
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[記事公開日]2023年02月20日