保育者になるために保育者養成校では、子どもが豊かに生きていくための基盤となる「健康で安全な生活」をどのように乳幼児期に育んでいくのかについて学びます。現代は、子どもが育つ環境や子育てを取り巻く状況は、環境問題や少子化、核家族化、都市化などにより、必ずしも「健康で安全な生活」を送りやすいとはいえません。
乳幼児期の教育・保育の基本となる幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領では「食育」「多様な動きの経験」「安全」についてなどが改めて位置づけられました。幼稚園や保育所や認定こども園等の保育施設が、子どもの「健康」について果たす役割が一層大きくなっていることを示しています。本学では1年生の時に、学生自身と子どものからだについて比較したりや実際に公園などでの学外での演習を行ったりして、体験を通して学んでいます。その授業の様子をご紹介します。
「親子で楽しむ地産地消のメニューの作成」について、相模原市観光・プロモーション課と協働で授業を行いました。
実際に授業では、相模原市役所の方に趣旨をご説明いただき、自分たちの食育のテーマを理解しました。そして旬の地元野菜を知るために、近隣のJA相模原市直売所「ベジたべーな」にご協力いただき、調査に伺いました。調査に基づいて地産地消メニュー作りです。
教師も驚くほど学生達は子どもが食べたくなるメニュー作りに熱中し、様々な素敵なアイデアが提出されていました。
相模原市の方々と協議を進め選ばれたレシピは、実際にレストランのシェフに作っていただき、令和5年2月に「相模原市シティプロモーションブック - All My Sagamihara - 」 に掲載されます。
\ 学生の声 /
自分でレシピを考えることが普段なかなか無いので、すごく悩み考えました。やってみると、レシピの中でその野菜のもつ栄養などを自然と学べていて面白かったです!
子ども達にとって散歩は、重要な保育活動です。特に長時間保育や小規模な保育施設の増加と共に子どもの成長にとって重要性が増しています。散歩では、自然との触れ合いや地域社会との交流を通して、豊かな感性や好奇心を養ったり、人と関わる楽しさや心身共に伸び伸びと生活する喜びを感じたりし、多くの体験を得る機会となります。
実際に保育者は、散歩の下見を行い、今の子どもの興味や関心を基にしてどのような散歩コースにするかや、公園などの行先で何をするのかを計画しています。
授業では実際に大学の周辺をお散歩して、子どもの行動や思いを感じながら考え、自分の気づきからの学びを深めています。
お散歩マップを作成する演習授業では、近隣の淵野辺公園を散策し、学生個人で地図を作りました。クラスメイトと一緒にもし実際に自分が保育者になり淵野辺公園へお散歩する時、どのように散歩するのかを考えました。
その後、淵野辺公園の付近の地図を自分で手書きで書いたり、印刷したりして、散歩コースにある建物のことや公園内の遊び場の特徴などポイントを書き込みました。
学生同士のお散歩マップを共有すると、一人ひとりのルートや場所の特徴の捉え方、配慮や準備などが異なり、散歩には多くの視点があることが分かりました。
\ 学生の声 /
作成で楽しかったことは、自分が保育者の立場になり、お散歩のルートを決めたり、どのような遊びができるのか考えながら散策することでした。
私はお散歩マップは健康の授業で1番楽しかったです。自分たちが歩いたところの周りに何があるのかを意識的に考えることが今までなかったので、子ども目線で見ると意外な発見が沢山あって面白かったです。
和泉では、教育内容に応じた多様な授業形態で、子ども一人ひとりに寄り添う保育者の養成を目指しています。まず、学ぶ上で大切にしていることが “ 実感を伴う ” ということです。演習では「あ~そうだったのか!そういうことか!」という “ 実践を通して納得する学び ” が何より大切だと考えています。「ソウイウコトニナッテイル」という知識を単に覚えるだけでは、実際の保育場面での応用は難しいのです。新たなことに出会って「楽しい、面白い、なるほど」と心揺さぶられながら学ぶことができれば、それはあなたの “ ものごとの見方を変える学び ” となり、新たな視点や価値に出会うことができます。子ども一人ひとりに寄り添う保育者の養成には、多様な視点や価値観を得ることは欠かせないことなのです。そのような思いをもって和泉の授業は組み立てられています。
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[記事公開日]2023年02月13日[最終更新日]:2023年02月16日